インプラントによる治療について
インプラント治療とは、歯を失ったところに人工歯根(インプラント体)を埋入し、歯の機能を補う治療法です。歯を失った際は入れ歯やブリッジが主な選択肢でしたが、近年はインプラント治療を希望する方が増加傾向にあります。
被せ物(差し歯)による治療は歯根が残っている場合に行うのに対し、インプラント治療は抜歯によって歯根まで失った際に行います。
インプラントが選ばれる理由
- 天然歯のように噛める
- 審美性に優れている
- 将来多くの歯を残せる可能性がある
- 顎の骨の吸収を抑えられる
インプラントは、歯根から歯まで全て人工物で、いわば自分の歯を人工的に作り出す治療法です。部分入れ歯やブリッジは、義歯を支えるために周りの歯に負担をかけますが、インプラント治療は自立するため周りの歯の健康に悪影響が及ぶことはありません。
ブリッジは両隣の歯を削る、部分入れ歯は金具で引っかける必要があるため、周りの歯の寿命が縮み、早期に失うリスクが高まります。これも、インプラント治療を選択する人が増えている理由の1つでしょう。
インプラント治療が受けられる方
インプラント治療は、1本からすべての歯を失った場合にまで対応可能です。むし歯や歯周病、事故、先天的に歯がないなど、あらゆるケースに対応できます。ただし、手術が必要なため、全身状態が悪かったりインプラントを埋入する部分が丈夫ではなかったりする場合は、インプラント治療を受けられない可能性があります。
また、高血圧や心臓疾患、ぜんそく、糖尿病、骨粗しょう症などがある、または過去にかかっていた場合もインプラント治療を受けられないケースがあります。まずはお気軽にご相談ください。
インプラント治療の流れ
Step1診査・診断・治癒計画の立案
まずは、お口の中や全身の健康状態、残っている歯の状態、治療箇所の顎の骨の状態、神経や血管の走行などを調べます。その際は、立体的な画像データを取得できるCTを使用し、骨の形や量まで詳しく調べ、診断いたします。そして、検査結果をもとに治療計画を立案し、患者さんにご提案いたします。
Step21次手術
歯茎を切開して顎の骨にドリルで穴をあけ、そこにインプラント体を埋め込みます。使用するインプラント体は生体親和性に優れたチタン製です。
Step3骨とインプラント体の結合を待つ
インプラント体と骨が結合するまで、下顎1.5ヶ月、上顎2ヶ月程度の待機期間を設けます。
Step42次手術
1回法という方法であれば、1回目の手術でインプラント体の頭部を露出させた状態で歯茎を縫合するため、手術は1回で済みます。2回法では、1回目の手術でインプラント体を完全に歯茎で覆って縫合するため、2回目の手術で歯茎を再び切開する必要があります。
Step5補綴治癒
インプラント体の頭部にアバットメントを装着し、そこに被せ物や義歯、ブリッジなどを装着します。通常、セラミック製の被せ物を使用し、審美性に優れた歯を実現します。まずは仮歯を作り、歯の形や噛み合わせを確認したうえで、最終的な被せ物を作製・装着する流れです。